2012年05月18日

~ホテル一斉査察は、消防庁予防課長の通達から~

 13日早朝に発生した、広島県福山市の「ホテル火災」を受けて、14日から全国のホテル・旅館での“一斉査察”は、以下の通達からはじまった。


                      消防予第181号
                     平成24年5月14日

各都道府県消防防災主管部長
東京消防庁・各指定都市消防長 殿

                      消防庁予防課長
                         (公印削除)


ホテル・旅館等に係る防火対策の更なる徹底について

 5月13日早朝に発生した広島県福山市の宿泊施設の火災において死者7人、負傷者3人の人的被害が発生しました。
 当庁においては、火災発生後直ちに職員を現地に派遣し、関係機関とも協力の上、火災原因調査を行っているところです。
 今後、調査結果を踏まえて対応を検討し、必要な措置を要請する予定でありますが、当面は類似の火災の発生を防止するために、ホテル・旅館等の宿泊施設に対し、特に下記の事項に留意の上、防火安全対策の更なる徹底を図られますようお願いします。
 各都道府県消防防災主管部長にあっては、貴都道府県内の市町村に対してその旨周知するようお願いします。


           記

1 消防法令違反等の是正の徹底
 消防法令違反等の防火安全上の不備事項がある施設等に対しては、関係部局との連携を確認するとともに、重点的に改善指導を図り、違反処理基準に基づき早急に所要の措置を講ずること。

2 夜間における応急体制の確保
 火災時において従業員による避難誘導、通報等が確実になされる体制の確保等の観点から、夜間を想定し、施設の実情を踏まえた避難訓練の実施を図ること。

3 火災予防対策の推進
 下記事項を参考の上、出火防止、避難管理の徹底等の火災予防対策の推進を図ること。
(1)喫煙の火気管理の徹底を図ること。
(2)暖房機器や厨房機器等の火気使用設備・器具の管理の徹底を図るとともに、過熱防止装置などの出火防止機能に優れた機器等の使用の推進を図ること。
(3)階段、通路などの避難経路及び防火戸・防火区画の管理の徹底を図ること。
(4)寝具・布張り家具(ソファー等)に防炎性能(これに相当する着火防止性能を含む。)を有する製品の使用の推進を図る。


※ある地域では、消防署ばかりではなく、消防・警察・市役所職員の3行政同行で査察しているところも、あるという。今後、ますます“コンプライアンス”が問われてくるということになろう。


レジャー・ラブホテル経営の情報発信基地
http://www.teidan.co.jp
(株)テイダン 店主 湯本隆信
yumoto@teidan.co.jp




teidan at 14:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!

2012年05月16日

~福山のホテル火災 指摘された法律上の不備とは~

 広島県福山市で発生した「ホテルプリンス」の火災で法律上の不備から、業務上過失致死傷の疑いがでている、という。

『毎日新聞』(2012年5月15日・大阪夕刊)
≪広島・福山のホテル火災:客室12室の窓にベニヤ板 消火妨げた可能性≫

 <広島県福山市のホテルプリンスで宿泊客7人が死亡し、3人が重傷を負った火災で、犠牲者がいた客室の窓は全てベニヤ板で覆われていたことが消防関係者への取材で分かった>

 <火災の際、客室に煙がこもった要因になったうえ、消防の消火・救助活動を妨げた可能性もあるという。県警は、防火上の不備が被害を拡大した可能性が高いとみて、経営者側について業務上過失致死傷の疑いで捜査している>

 <消防関係者などによると、ホテルは2階(木造と鉄筋)に12、3階(鉄筋)に6の客室があった。このうち、鉄筋部分の客室計12の窓には内側からベニヤ板が設置されていた>

 <ベニヤ板は内装として設けられ、室内側に障子のデザインのクロスが張られていた。観音開きのように開くものと、固定されたものがあった。木造部分の客室にはなかった>

 <福山市は防災査察で、建築基準法上の8項目で違法状態にあると認定、ホテル側に繰り返し改善を指導した。このうち、排煙設備の不備と内装の難燃材の項目で、このベニヤ板を問題視していた。ベニヤ板が妨げになって窓から煙が排出されず、燃えやすい材質だった>

 <犠牲者7人は全員、煙を吸ったことによる一酸化炭素中毒で死亡した疑いがあり、ベニヤ板がある鉄筋部分の客室で倒れているのが見つかった。ベニヤ板のために十分に排煙されなかったり、消防が救助する妨げになった可能性がある>

 <廊下には独立した電源で作動する非常用の照明がなく、消防隊員が視界を妨げられて客室にたどり着くのに手間取ったとされる>

 <県警は経営者がホテルの防火態勢・構造が不十分と認識していたとみており、事情を聴くなどしている>


≪ホテルプリンスが指摘された法律上の不備≫

【消防法】
(1)消防用設備等の点検結果を消防に報告せず
(2)屋内消火栓の非常用電源がなく、火災時などに使えない可能性
(3)火災の避難訓練をしていない

【建築基準法】
(1)階段や吹き抜けが防火扉などで密封できず、上階に煙が立ち込めやすい
(2)屋内階段の幅が規定(1.2メートル)より狭い
(3)廊下に独立した電源で作動する非常灯がない
(4)窓内側のベニヤ板が窓をふさぎ、排煙機能が不十分
(5)室内に難燃材ではないベニヤ板があった
(6)コンロなどがある室内の防火対策が不十分
(7)客室とそれ以外を、耐火壁などで分けていない
(8)300平方メートル以上ある2階を耐火・準耐火構造にしていない


レジャー・ラブホテル経営の情報発信基地
http://www.teidan.co.jp
(株)テイダン 店主 湯本隆信
yumoto@teidan.co.jp


teidan at 13:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!

2012年05月15日

~福山のホテル火災 全国一斉消防査察へ~

 広島県福山市のホテル火災を受けて、全国の宿泊施設で消防署による査察が始まっている。

『msn.産経ニュース』(2012.5.14 14:21)
≪総務省消防庁、違反是正求め地方自治体に通知≫

 <宿泊客7人が死亡した広島県福山市のホテル火災を受け、総務省消防庁は14日、地方自治体に対し、ホテルや旅館など宿泊施設の防火管理や消防設備について、消防法違反を是正させるよう文書で通知>した。

 <今回の火災では、避難訓練を実施していないなどの法令違反が多数確認されており、今後、違反を繰り返すなど悪質なケースは、緊急の立ち入り検査を求める。また夜間の火災発生に備え、従業員が適切に初期通報や避難誘導ができる体制づくりを要請>した。


『msn.産経ニュース』(2012.5.14 22:11)
≪ホテルへの通知を7年間怠る 福山市消防局≫

 <広島県福山市の「ホテルプリンス」で宿泊客7人が死亡、3人が重傷となった火災で、福山地区消防組合消防局が平成17年2月以降、消防法に基づきホテル側に点検報告を求める通知を一度も出さず、事実上放置していたことが14日、同局への取材でわかった>

 <同局は「通知だけでは十分な効果が得られないと思った」としているが、同局では内規で2年に1回と定めた定期査察も15年以降実施していなかったことが明らかになっており、ずさんな対応がまた浮き彫りに>なった。

 <一方、福山市が昨年9月に実施した防災査察で非常用照明や排煙設備の不備など建築基準法上の問題点を指摘した際、ホテルの女性経営者(63)が「経営が苦しく設備投資は難しい」と回答していたことも明らかになった>

 <消防局によると、福山南消防署が平成15年9月に定期査察した際、ホテル側が自動火災報知機や消火器の点検、従業員らによる消火訓練などをしていなかったことが判明。このため同局は実施と報告書の提出を求めたが、ホテル側からの回答はなく、17年1月に再度通知を出した>という。

 <ホテル側からはその後も報告書の提出はなかったが、消防局も福山南消防署に改善報告の状況を確認しないまま、7年間放置した状態になった>という。

 <市建築指導課の高橋正樹課長は「改善してもらえるよう管理者に強く働きかけるべきだったが、現行法では強制力がなく、制度上の問題もあった」と対応の不備を認めた>


※これらの状況から、14日、朝から全国のレジャー・ラブホテルにおいても、所轄消防署からの連絡が相次ぎ、早いところでは昨日、午後には査察に入っている。
 査察をうけた、ある地方の経営者は、「客室は2、3部屋でしたが、指摘を受けたのは、客室窓の遮光のためのベニヤの撤去、自動ドアロックの解除確認、非常口の表示、退避通路の確認、非常時における消防署への通報確認、消火器の設置確認」等々であったという。 
 なかでも、今回の火災での死亡要因ともいえる、客室内の遮光のための窓のクローズについては、ある地方では、「即、撤去」を指示されたホテルもあったようだ。


レジャー・ラブホテル経営の情報発信基地
http://www.teidan.co.jp
(株)テイダン 店主 湯本隆信
yumoto@teidan.co.jp


teidan at 11:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!